うめはなのいろいろ綴り

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一人暮らしを始めた日の話

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お題チャレンジ第三弾です。

はてなインターネット文学賞「記憶に残っている、あの日」

 

私が記憶に残っているのは初めて一人暮らしをしたあの日です。

私が一人暮らしを始めたのは18歳、大学進学がきっかけでした。

 

引っ越しの日

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引っ越しといっても業者に頼むような大掛かりなものではなく、新居に届く家電や家具を受け取って設置する、生活雑貨を買いに行くといったものでした。

父母と片づけを済ませ、水道やガスや電気の手続きや立ち合いなんかも父母がやってくれました。

今思うとまだまだ子どもだなあと思います。

これから一人で暮らしていくという覚悟が足りていなかったのでしょうね。

そして引っ越しの日から大学の入学式までまだ日にちがあるということで、一度実家に一緒に帰りました。

思えば一緒に帰らずにこの日から一人暮らしをスタートさせればよかったのです。

寂しさとの戦い

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この日からカウントダウンが始まります。

あと何日かしたら家族とも長年住んだ家ともお別れです。

日々寂しい気持ちが募りますが、18歳の私は寂しいと口に出すことができません。

恥ずかしい気持ちと、言ってしまったら心が折れてしまいそうで心の奥底に気持ちを押し込めていました。

引っ越しが終わってから実家に戻ってからの数日間は本当ストレスでした。

受験も終わってやることもないし、友人たちも同じように大学入学の準備で忙しかったので家にいることしかできませんでした。

一日何度も犬の散歩に行ったりしていました。

散歩好きの犬もさすがにちょっと迷惑そうにしていました。

そして旅立ちの日

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その日は午後の電車で一人暮らしの家に向かう予定でした。

家族で朝ご飯を食べてお昼ご飯は母と二人です。

毎日のように通った近所のスーパーへお昼ごはんのお弁当を買いに行きました。

買物をしているときにふと頭をよぎります。

「明日はもうここにはいないんだな」

そう思うとどうにも寂しさがこみ上げてきます。

帰りの車の中、私はとうとう泣き出します。

18歳にもなって、親の前で泣くなんて恥ずかしい。情けない。

そんな思いが頭を埋め尽くします。

そんな私に母は一緒に一人暮らしの家へ行こうかと提案してくれます。

けれど私はそれを断りました。

そんなことをしてもらったらもう二度と一人暮らしをすることができないと思ったからです。

母とはスーパーから帰る車の中で少しけんかになりました。

お互い無言のまま昼ご飯を食べました。

しばらくすると私を駅まで送るために父が帰宅しました。

家を出る前に母に「本当に大丈夫」と伝えましたが、母は納得していないようでした。

父の車で駅へ向かいます。

高校時代毎日送ってもらった道です。

駅に着いて父にお別れの言葉を言って一人ホームへ向かいます。

一人電車の中で

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電車の中で今日一日を思い出します。

なぜだか一人になったことに安心している自分がいました。

思わず弱音を吐いてしまいそうな自分を必死に抑えていたからです。

涙が出てきてしまいそうになって思わず席を立ちました。

ドアの側に立って窓の外を見ると日が傾きかけていました。

気を紛らわせるために音楽を聴こうとイヤホンをつけ、再生ボタンを押すと流れてきた曲はLOVE PSYCHEDELICOの「Last Smile」。 

 

あれから20年、今でも「Last Smile」を聞くと、田舎の電車の窓から見える夕日とあの寂しい、情けない、これから頑張らなきゃ、あのときのごちゃごちゃした感情を思い出します。